こんな方に向けて書いています
- 現役フリーランスとして結婚や出産を考えている女性
- 会社員からフリーランスへの転向を検討しているプレママ
- 出産後の働き方や収入面に不安を感じている女性
- 仕事と育児のバランスをどう取るべきか悩んでいるママ
フリーランスとして働いている、もしくはこれからフリーランスになりたい女性にとって、出産や育児は大きなライフイベント。しかし、会社員とは違って身近に相談できるフリーランスの先輩女性がいなかったり、インターネットで情報を収集しても、経験値がないので想像ができずにいまいちピンとこなかったりという相談をよく受けます。
私自身も初めての出産を考えたとき、たくさん悩みました。










こんな疑問が頭を巡り、不安もたくさんありました。
そして私は一人目は会社員時代に出産し、それを踏まえて二人目はフリーランスの状態で出産する予定です。今までのキャリアは会社員、業務委託、フリーランス、そして会社経営とさまざまな働き方を経験してきた上で総合的に判断しました。
この記事では、現役フリーランス女性や、これからフリーランスになりたい女性が安心して出産・育児を乗り切るために必要な準備や予備知識や、私の体験談をもとにベストな選択肢までをまとめています。
この記事を読めば、これからフリーランスになりたい女性が独立するタイミングや、現役フリーランスの女性が出産・育児を乗り切る方法、具体的に準備するべきことが全てわかります。
結論から書きますと、フリーランスでもきちんと環境を整えれば出産と仕事の両立は十分可能ですが、いま会社員をしている人はフリーランスになるタイミングは計画的に考えるべき、ということです。
フリーランスが利用できる出産・育児周りの制度はある?
結論から言うと、会社員と違ってフリーランスは育休・産休制度を利用できません。
しかし、全員に適応される制度はもちろん利用可能です。
国民全員に適応される制度はフリーランスも利用可能
国民全員に適応される制度
・妊婦健診の補助
・出産育児一時金
・児童手当
・子どもの医療費助成
全員に適応される制度はもちろんフリーランスも利用できますが、フリーランスだからといって特別利用できる制度はないため、会社員と比べると圧倒的に不利です。
会社員のみが利用できる制度
フリーランスが特別利用できる制度はありませんが、会社員のみが利用できる産前産後の制度は、以下のようなものがあります。これらは、フリーランスや自営業者には通常適用されないことが多いため、会社員の大きなメリットと言えます。
1. 産前産後休業(産休)
- 概要: 出産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)と出産後8週間の休業が法律で保障されています。
- ポイント: 出産後8週間以内は原則として働くことができません(医師の許可があれば6週間後から可能)。
2. 出産手当金
- 概要: 健康保険から支給される制度で、産休中に給与が支払われない場合でも生活費の一部を補填。
- 支給額: 1日あたり「標準報酬日額の3分の2」。
- ポイント: 会社員が加入する健康保険に基づくため、フリーランスの国民健康保険では利用不可。
3. 育児休業(育休)
- 概要: 子どもが1歳(最大で2歳まで延長可)になるまで取得可能。育休中は原則無給だが、「育児休業給付金」が支給される。
- 育児休業給付金: 雇用保険から支給され、休業開始から6か月は賃金の67%、それ以降は50%。
- 条件: 雇用保険に加入しており、過去2年間に11日以上働いた月が12か月以上あること。
4. 時短勤務制度(育児短時間勤務)
- 概要: 子どもが3歳になるまで、希望すれば労働時間を短縮できる制度(1日6時間勤務など)。
- ポイント: 企業規模や就業規則により運用は異なるが、法律で保証されている。
5. 妊娠中および育児中の特別措置
- 概要: 母性健康管理指導のもと、以下の配慮が企業に義務付けられています。
- 通勤緩和や勤務時間の短縮。
- 重い物の持ち運びや立ちっぱなし作業の制限。
- 健康診断や検診の時間確保。
6. 社会保険料の免除
- 概要: 育休期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除される制度。
- ポイント: 保険料を支払わなくても、将来の年金額には影響しません。
※フリーランスの場合、健康保険料は基本的に免除されませんが、国民年金保険料の免除の制度ならあります。次章でご説明します。
フリーランスが忘れがちな要申請の制度
フリーランスや自営業者の場合、会社員のように健康保険料の免除はありませんが、国民年金保険料の免除制度が利用できます。会社の人事総務などが手続きしてくれる会社員と違ってフリーランスは自分で手続きを進める必要があります。
国民年金保険料の免除(出産予定日の前月から4か月間)の申請は忘れずに
- 申請書の提出
市区町村役場の国民年金窓口で「出産に伴う国民年金保険料免除申請書」を提出。 - 必要書類
- 母子健康手帳のコピー(出産予定日や出産日が記載された部分)
- その他、自治体で指定された書類。
注意点
- 第2号被保険者(会社員)は、この国民年金の免除制度ではなく、勤務先を通じた厚生年金免除が適用されます。
- 第1号被保険者(フリーランス)は、自身で申請手続きを行う必要があります。
自分で申請しないと適応されないので、フリーランスの方は適応できる数少ない制度ですので忘れないようにしましょう。
以上のような事情から、会社員と違って産前産後の制度が充実していないフリーランスや自営業の女性は産後1~2ヶ月で仕事復帰する方が多いのです。
仕事を継続している人の復帰タイミングは、産後2ヶ月以内が59.0%、産後1ヶ月以内でも44.8%。



このような背景も含めて、次章からは様々な家庭のケース別に、アドバイスとベストな選択肢を考えていきましょう。
色んなケースを想定して準備を練ろう
現在あなたが会社員なのか、すでにフリーランスとして独立しているのかによって必要な準備は変わってきます。また、普段の生活費を夫婦2人で賄っているのか、旦那様が主に仕事の役割を担っているのかによっても変わります。
今回は、旦那様が会社員という想定で解説していきます。
ケース1 基本的に旦那様の収入だけで生活ができる場合
基本的に旦那様の収入だけで充分生活ができる場合は、奥様はフリーランスで出産を迎えても大丈夫です。
もちろん子供や自分にどれだけお金をかけたいかにもよるのでケースバイケースですが、旦那様の扶養に入れば、控除される額も増えますし、今の日本で飢え死にするということはないでしょう。
ただ、出産には想定外のことも起こり得ます。様々なリスクに備えて最低でも育児用品を購入する資金などは前もって貯めておくに越したことはありません。
ケース2 普段から夫婦共働きで生活費を稼いでいるご家庭
あなたが今会社員で、所属する会社の産休・育休制度が整っている、普段から夫婦共働きで生活費を稼いでいる、というご家庭は、せっかくなら夫婦2人とも会社員のまま出産を迎えた方が安心かもしれません。
育休手当をもらえる環境で今まで会社に貢献してきたのですから、制度を利用する権利は充分にありますし、育休手当を確保しておくことによって精神的に安心して子育てに専念できることもメリットです。
それでもすぐにフリーランスになりたい!という場合
会社員のほうが産休・育休制度があるので子育てがしやすいとはわかっていても、すぐにでも会社員を辞めてフリーランスに挑戦したい!という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時にアドバイスしている私のおすすめは、
- 副業OKの会社員をしながら
- 出産・育児をした時の制度を利用できる会社員という状態で
- 将来のフリーランス生活に備えてスキルアップしたり副業で仕事をするという方法。
この方法をとれば、前もってある程度理想の生活を計画し、そのためのロードマップを組み、着実に理想の未来へ備えていくことができます。
ちなみに、会社員としての産休・育休を利用して資格の勉強を始めた友人がいます。その資格を活かして復帰後にはフリーランスとして新たなキャリアをスタートさせたそうです。会社員として得られる産休・育休は人生を見つめ直したり、新たな挑戦やステップへの準備期間にもなるのです。
ケース3 現役フリーランスの女性が出産・育児を乗り切る方法
このケースへのご提案は次の章で私の見解をご紹介しますね。
現役フリーランスの女性が出産・育児を乗り切る方法
フリーランスとして出産を迎えた場合にどうするのがベストなのか、私なりの見解をご紹介します。結論から言うと、周りの環境をしっかり固めておかないと厳しいですが、全然不可能ではありません。
出産・育児における最大のポイントは、「収入とサポート環境」です。
- 夫の育休取得(取れる環境に身を置いてもらうことも必要になります)
夫に育児のリソースを確保してもらいながらも、育休手当をその間の生活費にできる - 自分の収入の確保(産後2ヶ月くらいでフリーランスとして仕事を再開する)
取引先には2ヶ月空けてしまうことの説明と、それでも契約を再開したいと言ってもらえるような信頼関係づくりを常日頃から行う
産後すぐに収入を確保できるようなスキルやナレッジを持っておく - 外部サポートの活用
両家の親にヘルプをお願いする
一時預かりなど周りの協力を最大限得る
ベビーシッターや家事代行サービスを活用し、負担を軽減する
以上のような環境構築はしっかりやっておくのがベストです。
出産と育休を経験して感じたこと:私の場合
あくまで私自身の体験を一例としてお話しさせていただきますね。
私の場合は、会社員時代に一人目の育休を1年取得しました。赤ちゃんとの時間は本当に幸せで、毎日新しい発見がありました。ただ、育休も1年近くになってくると次第に、社会復帰したい、また働きたいという気持ちが強くなったのも事実です。
復職し、保育園に預けてからは、自分でスケジュールを管理しながら落ち着いて働く時間を確保できました。
何より大人と会話する時間のありがたさを感じ、久しぶりに自分で自分のスケジュール管理ができたことに感動したことを覚えています。(赤ちゃんと1日一緒にいると、スケジュールや予定なんてあってないようなものですので)
一方で、「ずっと子どもと一緒にいたい」「育休を最大限活用したい」と考えて育休延長をするママもいます。家庭の事情や将来の計画に合わせて働き方を調整する方もいます。
本当に多様なケースがあり、それぞれの選択に正解はありません。


私自身が初めての出産・育児を経験して感じたのは、フリーランスでもきちんと環境を整えれば十分に育児と仕事の両立は可能だということです。もちろん、これはあくまで私自身のケースであり、生まれてくる子どもの特性や、さまざまな要因が絡めば感じ方や結論も変わってくると思います。
まとめ
出産や育児に関する環境は、本当に家庭によってさまざまです。例えば、
- 両実家のサポート体制
- 夫婦の雇用形態、会社の規則
- 自然分娩の予定が思いがけず帝王切開になるなど予想外の出来ごと
- 生まれてくる子どもの性格や特性も大きな要因
このように、出産や育児においては予想外なことや、コントロールできないことが多々あります。「寝ない子」の場合は、ママとパパの負担がかなり大きくなることもありますよね…
そのため、「これが正解」という絶対的な答えはありません。
ただ、私の経験則からお話しすると、フリーランスをしながら出産・育児を乗り越えることは可能です。
大切なのは、
・自分と家族に合った方法を見つけること
・自分がどんな生活を送りたいかを前もって考え、そのために必要な準備を進めること
・理想とする生活を叶えている人に話を聞くこと
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